日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ 日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ

【ハーフ&ハーフ】

「スタウト」や「ポーター」といった“黒ビール”と呼ばれる濃色ビールは、香りや味が強すぎて苦手という人もいると思います。そんな人におすすめしたいのが「ハーフ&ハーフ」という飲み方です。

これは馴染みのある色合いの淡色ビールと濃色ビールを1:1の割合で混ぜ合わせる飲み方。淡色ビールのさわやかな味わいが、濃色ビールの強い味わいを抑えてくれるので、濃色ビールを敬遠していた人も飲みやすいはずです。

このハーフ&ハーフのもうひとつの楽しみ方は“注ぎ方”です。実はこの飲み方、注ぐ順番で泡の色が違ってくるのです。淡色ビールを先に注ぐと泡が白くなり、濃色ビールを先に注ぐと泡は黒くなります。

泡が白くなるものを「ホワイトトップ」、黒くなるものを「ブラックトップ」と呼ぶのですが、違いは泡の色だけではありません。ホワイトトップだと淡色ビールのさわやかな香りがし、ブラックトップだと濃色ビールの甘い香りが強くなります。

使用するビールの種類でも味は違ってきますし、淡色ビールと濃色ビールの割合でも風味が変わってきます。さまざまな作り方を試してみて、お好みのハーフ&ハーフを作り上げてみるのも楽しいですね。

<おすすめのビール>

ビアスタイルを知ろう!<4>
【ホワイト】

前回、ドイツの伝統的な白ビール「ヴァイツェン」を紹介しましたが、このほかにも多くのビールファンを魅了している白ビールがあります。それは「ホワイト」と呼ばれる、ベルギーの上面発酵ビールです。ほかの白ビールと区別するために「ベルジャンスタイルホワイトエール」「ベルジャンホワイト」などと呼ばれることもあります。

このビールは、15世紀からベルギーのヒューガルデン村で醸造されてきましたが、1957年にピルスナー人気などの影響により製造が終了してしまいます。しかし1966年に製造が再開され、復活を遂げています。

そんなホワイトの特徴は、大麦麦芽と小麦麦芽、そして麦芽化されていない小麦を使って作られていること。この麦芽化されていない小麦のタンパク質と酵母の影響で白く濁っていることから「ホワイト」と呼ばれているのです。

また、コリアンダーやオレンジピールなどで香りづけがされているので、とてもフルーティーでスパイシーな、清涼感のある味わいが楽しめます。ほどよい酸味がヨーグルトのような風味も感じさせます。ホップの苦みが苦手だという人に、人気のあるスタイルです。

そんな爽やかな風味のホワイトは、白身魚のカルパッチョ、サーモンマリネ、魚介のアヒージョなど、酸味のある料理や魚介類と相性が抜群です。

 

ビアスタイルを知ろう!<3>
【ヴァイツェン】

ビールには「白ビール」と呼ばれる、淡色で白く濁ったビールがあります。「小麦ビール」とも呼ばれ、大麦麦芽だけでなく小麦麦芽も使用して作る上面発酵ビールです。

そのなかに、南ドイツ地方で古くから作られている白ビールがあります。それが「ヴァイツェン」です。小麦麦芽を原料の50%以上を使用することが決められていて、白く濁っていることから「ヴァイス(=白い)」とも呼ばれています。非常に泡立ちがよく、泡持ちがいいのも特徴です。

苦みが少なく、フルーティーでスパイシーな味わいも特徴のひとつです。バナナやクローブ、バニラのような香りとともに、ほのかな酸味、強い炭酸であることから清涼感も感じられます。

ヴァイツェンには、酵母を取り除かずビン内で後発酵させた濁りのある「ヘーフェヴァイツェン」、酵母を取り除いた透明な「クリスタルヴァイツェン」、色が濃い「デュンケルヴァイツェン」、アルコール度数が高い「ヴァイツェンボック」などがあります。

酸味のあるザワークラウトや酢の物、さっぱりとした焼き魚などの料理とよく合うビールです。

 

【花見団子&ビール】

ビールのつまみといえば、味の濃い料理や揚げ物などをイメージしますが、実は甘い食べ物がよく合うビールもあるのです。そこで今回は、お花見シーズン真っただ中なということで「花見団子」に合うビールを紹介しましょう。

ひと口に団子と言ってもいろいろあるので、団子の種類別に合うビールを紹介していきます。

【あん団子】あんこがたっぷり載った団子には、苦みが特徴の「ダークエール」「ブラウンエール」「ポーター」がおすすめです。あんこの甘さとビールの苦みが重なることで、ビールのコクが際立ちます。

【みたらし団子】しょう油のうま味とコクがおいしいみたらし団子には、酸味と苦みが強い「ボック」「ペールエール」「IPA」と相性が抜群。しょう油の酸味・香ばしさと、ビールの酸味・苦みとの相乗効果でおいしさが広がります。

【草団子】ヨモギのさわやかな風味には、同じくさわやかな味わいの「ホワイト」がピッタリ。とくにフルーティーな味わいの「ベルジャンホワイト」がおすすめです。ビールの香りのなかに、ヨモギの青い香りがほのかにしてきます。

 

<おすすめのビール>

あん団子

みたらし団子

草団子

ビールは「発酵」によって
味わいが変わる?<2>
【下面発酵】

ビールは、酵母が麦汁内の糖類を分解して、炭酸ガスとアルコールを生成する「発酵」によって作られます。発酵には「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」があり、その発酵の種類によってビールの味わいも変わってきます。

前回は「上面発酵」を紹介しましたが、今回は「下面発酵」について解説していきましょう。

「下面発酵」とは、発酵後に麦汁内の酵母がタンクの底に沈殿していくことから名づけられた醸造方法。発酵温度が5~10℃と低温で、発酵期間は7~10日間、熟成に1カ月程度時間をかけて作られるのが特徴です。

下面発酵で作られるビールは「下面発酵ビール」や「ラガー」と呼ばれています。19世紀後半に下面発酵ビールが普及すると、たちまちビールの主流となり、今や世界の約9割がこの下面発酵ビールとなりました。「ピルスナー」をはじめ「アメリカン」「ババリア」「ミュンヘン」「メルツェン」「ボック」「スモーク」「スパイス」「フルーツ」といったスタイルのビールが下面発酵ビールです。

キレのある苦みとさわやかなノド越しで、ゴクゴクと飲めるのが特徴の下面発酵ビール。シンプルな味わいなので、さまざまな料理と一緒に楽しむことができます。

 

<代表的な下面発酵ビール>