日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ 日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ

あの“ビールの祭典”は
もともとビールの祭りじゃなかった!?
【オクトーバーフェストの話】

世界最大の“ビールの祭典”と言われる「オクトーバーフェスト」をご存知ですか? ドイツの都市・ミュンヘンで開催される、200年以上もの歴史があるイベントで、毎年10月第1日曜日まで、16日間かけて行われます。東京ドーム約9個分という広い会場は屋台や遊園地などが並び、世界中から訪れる600万人以上のビールファンを楽しませてくれます。

そんなオクトーバーフェストで味わえるのが、このお祭りのためだけに作られる「オクトーバーフェスト・ビール」。3月に仕込まれて夏のあいだ熟成される、アルコール度数が少し高めのビールです。冷蔵装置がなかった時代、夏の暑さで腐敗しないようにアルコール度数を高め、ホップの量を多くすることで保存性を高めたのがルーツだといわれています。

このビールを作ることができるのは、公式ブルワリー6社のみで、これをマスと呼ばれる1リットルのジョッキで楽しむのです。

 

そんなオクトーバーフェスト、もともとはビールのお祭りではありませんでした。1810年10月にバイエルン王国のルードヴィヒ皇太子とテレーゼ王女の結婚式のお祝いが、この祭典のきっかけでした。城壁前の緑地では大規模な競馬が行われ、翌年もその緑地で競馬が開催されることになり、ここからオクトーバーフェストが始まることとなります。のちにこの緑地は「テレーゼの緑地」と呼ばれるようになりました。現在もオクトーバーフェストが行われている会場は、ここ「テレーゼの緑地」です。

現在では、世界各地でオクトーバーフェストが開催されています。最近は日本でも人気のイベントとして知られるようになり、全国で開催されるようになりました。ぜひ一度足を運んで本場の味を楽しんでみてください!

 

※写真はイメージ

ビールは「発酵」によって
味わいが変わる?<2>
【下面発酵】

ビールは、酵母が麦汁内の糖類を分解して、炭酸ガスとアルコールを生成する「発酵」によって作られます。発酵には「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」があり、その発酵の種類によってビールの味わいも変わってきます。

前回は「上面発酵」を紹介しましたが、今回は「下面発酵」について解説していきましょう。

「下面発酵」とは、発酵後に麦汁内の酵母がタンクの底に沈殿していくことから名づけられた醸造方法。発酵温度が5~10℃と低温で、発酵期間は7~10日間、熟成に1カ月程度時間をかけて作られるのが特徴です。

下面発酵で作られるビールは「下面発酵ビール」や「ラガー」と呼ばれています。19世紀後半に下面発酵ビールが普及すると、たちまちビールの主流となり、今や世界の約9割がこの下面発酵ビールとなりました。「ピルスナー」をはじめ「アメリカン」「ババリア」「ミュンヘン」「メルツェン」「ボック」「スモーク」「スパイス」「フルーツ」といったスタイルのビールが下面発酵ビールです。

キレのある苦みとさわやかなノド越しで、ゴクゴクと飲めるのが特徴の下面発酵ビール。シンプルな味わいなので、さまざまな料理と一緒に楽しむことができます。

 

<代表的な下面発酵ビール>