【ダブルカルチャード】
数年前から話題になっている「ダブルカルチャード」というカクテルがあります。これはカルピスの原液1に対し、ビール6で割ったビアカクテル。今では定番ドリンクになっている飲食店も多いようです。
そんな「ダブルカルチャード」は、カルピス社員が2011年に考案したもので、乳酸菌発酵のカルピスと酵母発酵のビール、2つ「=double(ダブル)」の発酵「=cultured(カルチャード)」から名付けられたそうです。
カルピスの甘酸っぱさにビールのコクが加わった、とっても口当たりのいいカクテル。“大人の乳酸飲料”といった味わいです。ビールの苦みが得意ではないという人にも、飲みやすいはずです。
このカクテルは「ピルスナー」で割るのが一般的ですが、フルーティーなビールで割ると、さらにカクテルらしい味わいになります。
今回使ってみたのは、ベルジャンホワイトに青リンゴ果汁を加えて作られた「ニュートン(青リンゴビール)」と、カシスを漬け込んで作られたランビック「リンデマン カシス ミニ」。どちらも苦みがない甘口のビールなので、カルピスとの相性は抜群です。
こんな風にいろいろなビールを使って作ったり、カルピスの量をお好みで調整して、オリジナルの「ダブルカルチャード」を作ってみるのも楽しいものです。ホームパーティーで、オリジナルのダブルカルチャードを振る舞えば、お客さんもきっと喜んでくれるはずです。
<作り方>
- グラスの1/7までカルピス(原液)を注ぎます。
- しっかりと冷やしたビールを注ぎます。
- これを軽くステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- ニュートン(青リンゴビール)(ベルギー)
- リンデマン カシス ミニ(ベルギー)
【ラズベリー・スネークバイト】
ビールとシードルを1:1で割った「スネークバイト」というビアカクテルがあります。ビールにリンゴの甘みが加わるので口当たりがよく、ついつい飲み過ぎて酔いがまわってしまいそう。そんなことから「スネークバイト(=蛇のひと噛み)」なんていう名前がつけられたのかもしれません。
そんな名前にラズベリーが付いたこの「ラズベリー・スネークバイト」は、単に「スネークバイト」にラズベリーを加えたものではありません。ラガーやエールの代わりに「ラズベリービール」、これに「カシスリキュール」を合わせたビアカクテルです。
今回使用したラズベリービールは「ランビック」と呼ばれる、自然のなかにある自然酵母を使って発酵させ、2年以上熟成させたベルギーを代表するビール。これにラズベリー果汁を加えて熟成させた「リンデマン フランボワーズ ミニ」です。
飲むと甘酸っぱい香りと味が広がる「リンデマン フランボワーズ」だけでもおいしいですが、さらにカシスリキュールの甘みを加えて、よりカクテルっぽく味わいたいという人におすすめです。
ふたつの果実の甘くて爽やかな味わいが広がる「ラズベリー・スネークバイト」。あまりにもおいしくて飲み続けていると、蛇に噛まれるのでご用心を。
<作り方>
- 氷を入れたグラスに、カシスリキュール20mlを注ぎます。
- そこによく冷やしたラズベリービール250mlをゆっくりと注ぎます。
- これを軽くステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- リンデマン フランボワーズ ミニ(ベルギー)
【レッド・バード】
トマトジュースを使ったカクテルは、ウォッカと合わせた「ブラッディ・メアリー」。それと、ビールと合わせた「レッド・アイ」が有名ですが、このふたつを合わせたようなカクテルがあります。それが今回紹介する「レッド・バード」です。
ビールとトマトジュース、ウォッカを合わせて作るカクテルで、アルコール度数は10度ほど。「レッド・アイ」ではちょっと物足りない、そんな人に飲んでほしいビアカクテルです。
合わせるビールは、あまりクセのないピルスナーがおすすめ。今回は東南アジアを中心に、世界中で親しまれているシンガポールのピルスナー「タイガー」にしました。スッキリとした飲み口なので、トマトジュースの味も引き立ててくれます。
スティック状に切ったセロリをマドラー代わりにして、たまにかじりながら飲むという楽しみ方もおすすめです。もう少し引き締まった味わいがいいという人は、グラスの縁をレモンで濡らして、塩やコショウをつけたスノースタイルにしたり、レモン汁やタバスコを入れてパンチのある味わいにしてみたり、好みの味を作るのもいいですね。
<作り方>
- 氷を入れたグラスにウォッカ30ml、トマトジュース60ml注ぎます。
- そこによく冷やしたビールをゆっくりと注ぎます。
- そして、軽くステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- タイガー(シンガポール)
【アペロール・ミスト】
「アペロール」というお酒をご存じでしょうか? 1919年にイタリアで誕生した、オレンジとハーブで作られたリキュールです。日本ではあまり馴染みがないですが、2019年の段階で消費量が世界第6位、アペロールを使ったカクテルは世界第9位に選ばれるほど人気のあるお酒です。
そんなアペロールを使ったカクテルには、さまざまな種類があります。なかでも、氷を入れたグラスに、アペロール、白ワイン、炭酸水を注いだ「アペロール・スプリッツ」、同じく氷を入れたグラスに、アペロールと炭酸水、それにレモンを入れた「アペロール・ソーダ」はポピュラーなカクテルです。
しかし、ビール党に飲んでほしいのは「アペロール・ミスト」というカクテル。アペロール、100%レモンジュース、ビールを合わせたビアカクテルです。合わせるビールは、フルーティーな味わいのホワイトがおすすめです。
今回使ったのは、有機農法オレンジピールや有機農法レモングラスを原料に使ったホワイト「ジェード オーガニック ブランシェ」。アペロールと同じく、原料にオレンジを使ったビールなので相性は抜群です。フルーティーな香りと味わいが爽やかで、つい飲み過ぎてしまいます。
「アペロール・スプリッツ」「アペロール・ソーダ」は、どちらも氷を入れますが、ビアカクテルの場合は、味が薄まってしまうので氷を使わないのが基本。ですから「アペロール・ミスト」には氷を使わないほうが、爽やかな味わいを長く楽しめます。
基本的な作り方は以下のようになりますが、お好みでアペロールやビールの量を変えてもおいしくいただけます。
<作り方>
- よく冷やしたアペロール30ml、レモンジュース30mlをグラスに注ぎます。
- そこによく冷やしたビールをゆっくりと注ぎます。
- そして、軽くステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- ジェード オーガニック ブランシェ(フランス)
【パナシェ&ビター・オレンジ】
ビールをジンジャーエールで割ったら「シャンディ・ガフ」、トマトジュースで割れば「レッド・アイ」、コーラで割ると「ディーゼル」というように“ビール+ジュース”のカクテルには、いろいろな種類があります。
なかでもスッキリとして飲みやすく、夏の暑い日にぴったりなのが、柑橘系のシュースで割った「パナシェ」と「ビター・オレンジ」です。
「パナシェ」は、ビールとレモンスカッシュを1:1で混ぜて作るカクテル。フランス語で「混ぜ合わせた」という意味があります。サイダーのような透き通った炭酸飲料でもパナシェと呼ばれることがありますが、やはりレモンの酸味が効いたレモンスカッシュがおすすめです。
今回パナシェに使用したビールは、しっかりとした味わいながら飲みやすい「サンミゲール」。レモンの風味を生かしながら、ビールの味わいも楽しめる組み合わせです。
「ビター・オレンジ」は、ビールとオレンジジュースを1:1で割ったカクテル。オレンジジュースの甘みとともに、ビールのほろ苦さが感じられます。オレンジジュースは、やはり100%果汁のものがおすすめです。
ここで使ったビールは、オレンジジュースの甘みよりも、ビールほろ苦さを押し出すために、大量のホップを使った苦みの強い「ダブルホップモンスターIPA」。ホップのほろ苦さがオレンジの香りと一緒になって、オレンジピールのような味わいが楽しめます。
同じ名前のカクテルでも、使うビールによってさまざまな味に変わります。みなさんもぜひ、いろいろなビールで試してみて、お気に入りの組み合わせを見つけてください。
<作り方>
【パナシェ】
- よく冷やしたビールをグラスに1/2注ぎぎます。
- 次によく冷やしたレモンスカッシュを注ぎます。
- そして、軽くステアすればできあがり。
<おすすめのビール>
- サンミゲール(フィリピン)
【オレンジ・ビター】
- よく冷やしたビールをグラスに1/2注ぎぎます。
- 次によく冷やしたオレンジジュースを注ぎます。
- そして、軽くステアすればできあがり。
<おすすめのビール>
- ダブルホップモンスターIPA(イギリス)