【ビア・スプリッツァー】
白ワインをソーダで割って楽しむ「スプリッツァー」というカクテルがありますが、ソーダの代わりにビールを使って作るのが、今回紹介する「ビア・スプリッツァー」です。
白ワインの酸味とビールの苦みがマッチした味わいは、口当たりがよくキレがあり、とても飲みやすいビアカクテルです。ピルスナーにドライな白ワインを合わせるのが一般的ですが、さまざまなビールと白ワインで組み合わせを変えて楽しむのもおすすめです。
レモン味のフルーツビール「ラドラー」とドライな白ワインの組み合わせは、とても香り豊かで華やかな味わい。アルコール度数も低いので、お酒が弱い人でもおいしくいただけます。
もう少しビールのコクを味わいたいという人は、3種類の麦芽と5種類のホップ、そして2種類のフレッシュホップで仕上げられたIPA「IPA100」と甘口の白ワインの組み合わせはどうでしょう? IPAの苦みと白ワインの甘さが絶妙なバランスで、飲み過ぎてしまいそうです。
お花見など、みんなでお酒を持ち寄って楽しむ機会はたくさんあると思います。そんなときに「ビア・スプリッツァー」をぜひ楽しんでみてください。今まで以上に会話も弾むと思いますよ!
<作り方>
- しっかり冷やしたワインをグラス1/2注ぎます。
- そこにグラス1/2のビールをゆっくりと注ぎます。
- そして、軽くステアすればできあがり。
<おすすめのビール>
【ハイジ】
これまでにさまざまなビアカクテルを紹介してきましたが、今回紹介するのはビールとプレーンヨーグルトを1:1で混ぜ合わせたカクテル、その名も「ハイジ」です。
ビールとヨーグルトなんて、ちょっと不思議な組み合わせにも思えますが、意外や意外、とても滑らかな口当たりで、ほんのりとビールの味がする“大人の乳酸飲料”といった感じの飲みやすいカクテルです。
今回使用したビールは、サッパリとした口当たりのピルスナー「サンミゲール・ライト」。ヨーグルトのほのかな甘みと酸味、そしてビールの苦みがバランスよく味わえます。思いのほか甘くないので、お好みでヨーグルトにパウダーシュガーを加えたり、加糖ヨーグルトで作ったりしてもいいかもしれません。
また今回は、カシスを漬け込んだランビック「リンデマン カシス ミニ」でも作ってみました。カシスのフルーティーな香りとヨーグルトの酸味が非常によく合う、デザート感覚のカクテルに仕上がりました。
このほか、柑橘系の爽やかな風味の「ホワイト」や、果物を加えて作られた「フルーツ」など、このカクテルに合いそうなスタイルがたくさんあります。ぜひ一度試してみて、好みに合ったオリジナルのハイジを作ってみてください。
<作り方>
- あらかじめよく混ぜて滑らかにしたプレーンヨーグルトをグラスの1/2まで注ぎます。
- 次にグラス1/2のビールをゆっくりと注ぎます。
- 最後にゆっくりとステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- サンミゲール・ライト(香港)
- リンデマン カシス ミニ(ベルギー)
ビールは「発酵」によって
味わいが変わる?<2>
【下面発酵】
ビールは、酵母が麦汁内の糖類を分解して、炭酸ガスとアルコールを生成する「発酵」によって作られます。発酵には「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」があり、その発酵の種類によってビールの味わいも変わってきます。
前回は「上面発酵」を紹介しましたが、今回は「下面発酵」について解説していきましょう。
「下面発酵」とは、発酵後に麦汁内の酵母がタンクの底に沈殿していくことから名づけられた醸造方法。発酵温度が5~10℃と低温で、発酵期間は7~10日間、熟成に1カ月程度時間をかけて作られるのが特徴です。
下面発酵で作られるビールは「下面発酵ビール」や「ラガー」と呼ばれています。19世紀後半に下面発酵ビールが普及すると、たちまちビールの主流となり、今や世界の約9割がこの下面発酵ビールとなりました。「ピルスナー」をはじめ「アメリカン」「ババリア」「ミュンヘン」「メルツェン」「ボック」「スモーク」「スパイス」「フルーツ」といったスタイルのビールが下面発酵ビールです。
キレのある苦みとさわやかなノド越しで、ゴクゴクと飲めるのが特徴の下面発酵ビール。シンプルな味わいなので、さまざまな料理と一緒に楽しむことができます。
<代表的な下面発酵ビール>
- サミエルアダムス ボストンラガー(アメリカ)
- クローネンブルグ 1664(フランス)
- 有機農法ビール(日本)
- オーガニックビール(ドイツ)
- レモンビール(アメリカ)
- チリビール(メキシコ)
ビアスタイルを知ろう!<1>
【ピルスナー】
ビールにはたくさんの種類があります。この“種類”のことをビールの世界では「スタイル」と呼んでいて、その数ナント100種類以上!
そんな世界中にあるスタイルのなかで、最も普及しているのが「ピルスナー」です。この黄金色をした淡色ビールは、1842年にチェコのピルゼンで生まれました。ピルスナー誕生以前は、ほとんどが濃色のビールだったため、この爽やかな味わいの新しいビールはたちまち評判となり、のちに世界を席巻することになります。
現在日本で作られているビールも、ほとんどがこの「ピルスナー」にあたります。
ピルスナーは「下面発酵」と呼ばれる発酵方法で作られるビールの代表格。5〜10℃前後の低温で時間をかけて発酵し、発酵後に酵母が底に沈む「下面発酵酵母」で作られます。キレのある苦みと爽やかなノド越しが特徴です。
最もおいしく飲める温度は5~7℃。そのスッキリとした味わいは、揚げ物や焼き鳥などの料理と相性が抜群。