日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ 日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ

ビアスタイルを知ろう!<5>
【フルーツビール】

「フルーツビール」と呼ばれるビールがあることをご存じでしょうか? その名前からも想像がつく通り、フルーツを使ったビールなのですが、ビールとジュースを混ぜ合わせたカクテルではありません。醸造の途中で生のフルーツやフルーツエキスを加えて熟成させるビールの1スタイルです。

一緒に熟成させずに、できあがったビールに果汁を混ぜて作るものもありますが、ベルギーなどの伝統的な製法では、発酵中に副原料として加えられるものが多いです。使われるフルーツは、チェリー、ラズベリー、カシス、ピーチ、レモン、オレンジ、青リンゴなど、さまざまな種類があります。

味わいはもちろんビールなのですが、その中に使われているフルーツの酸味や甘みがバランスよく含まれていて、とても飲みやすくなります。ビールの苦みがちょっと苦手だという人にも、おいしく飲めると思います。

また、栓を開けた瞬間からフルーツのさわやかな香りが広がり、グラスに注ぐとピンクや紫など、とてもビールとは思えない鮮やかな色合いが楽しめます。この香りと色を楽しむために、フルーツビールはやはりグラスに注いで飲みたいものです。

おすすめは飲み口がすぼまったチューリップ型のグラス。注いだときに香りが立ちやすく、またグラス内に香りがたまりやすいので、飲みながら香りを存分に楽しむことができます。

 

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【エール】

ピルスナーなど日本でなじみ深く、最も飲まれている下面発酵で作るビールを総称して「ラガービール」と呼びます。それに対し、香りとコクが豊かな、上面発酵で作るビールを総称して「エールビール」と呼ぶケースもあります。

しかし、ここではビールのスタイルとしての「エール」を紹介しましょう。

「エール」とはイギリスビールの総称で、もともとはブラウンカラーで高アルコールのナチュラルビールを指しました。しかし現在では「ペールエール」「ビターエール」とさまざまな種類のエールがあります。

「上面発酵」という伝統的な発酵方法で作られており、下面発酵と比べると高温の15~25℃ほどで発酵します。発酵が進むと表面に酵母が浮かび上がることから「上面発酵」と呼ばれています。

エールの中でも代表的なものが「ペールエール」。ペールとは「淡い」という意味で、それまで飲まれていた濃色エールに比べて色が薄かったことから“ペール(淡い)エール”と呼ばれました。それでも現在主流のピルスナーと比べると、色は少々濃いめです。

フルーティーな香りと麦芽やホップの強い苦みは、ビーフシチューやフライドチキンにピッタリの味わいです。

 

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【ピルスナー】

ビールにはたくさんの種類があります。この“種類”のことをビールの世界では「スタイル」と呼んでいて、その数ナント100種類以上!

そんな世界中にあるスタイルのなかで、最も普及しているのが「ピルスナー」です。この黄金色をした淡色ビールは、1842年にチェコのピルゼンで生まれました。ピルスナー誕生以前は、ほとんどが濃色のビールだったため、この爽やかな味わいの新しいビールはたちまち評判となり、のちに世界を席巻することになります。

現在日本で作られているビールも、ほとんどがこの「ピルスナー」にあたります。

ピルスナーは「下面発酵」と呼ばれる発酵方法で作られるビールの代表格。5〜10℃前後の低温で時間をかけて発酵し、発酵後に酵母が底に沈む「下面発酵酵母」で作られます。キレのある苦みと爽やかなノド越しが特徴です。

最もおいしく飲める温度は5~7℃。そのスッキリとした味わいは、揚げ物や焼き鳥などの料理と相性が抜群。