【レッド・バード】
トマトジュースを使ったカクテルは、ウォッカと合わせた「ブラッディ・メアリー」。それと、ビールと合わせた「レッド・アイ」が有名ですが、このふたつを合わせたようなカクテルがあります。それが今回紹介する「レッド・バード」です。
ビールとトマトジュース、ウォッカを合わせて作るカクテルで、アルコール度数は10度ほど。「レッド・アイ」ではちょっと物足りない、そんな人に飲んでほしいビアカクテルです。
合わせるビールは、あまりクセのないピルスナーがおすすめ。今回は東南アジアを中心に、世界中で親しまれているシンガポールのピルスナー「タイガー」にしました。スッキリとした飲み口なので、トマトジュースの味も引き立ててくれます。
スティック状に切ったセロリをマドラー代わりにして、たまにかじりながら飲むという楽しみ方もおすすめです。もう少し引き締まった味わいがいいという人は、グラスの縁をレモンで濡らして、塩やコショウをつけたスノースタイルにしたり、レモン汁やタバスコを入れてパンチのある味わいにしてみたり、好みの味を作るのもいいですね。
<作り方>
- 氷を入れたグラスにウォッカ30ml、トマトジュース60ml注ぎます。
- そこによく冷やしたビールをゆっくりと注ぎます。
- そして、軽くステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- タイガー(シンガポール)
【アペロール・ミスト】
「アペロール」というお酒をご存じでしょうか? 1919年にイタリアで誕生した、オレンジとハーブで作られたリキュールです。日本ではあまり馴染みがないですが、2019年の段階で消費量が世界第6位、アペロールを使ったカクテルは世界第9位に選ばれるほど人気のあるお酒です。
そんなアペロールを使ったカクテルには、さまざまな種類があります。なかでも、氷を入れたグラスに、アペロール、白ワイン、炭酸水を注いだ「アペロール・スプリッツ」、同じく氷を入れたグラスに、アペロールと炭酸水、それにレモンを入れた「アペロール・ソーダ」はポピュラーなカクテルです。
しかし、ビール党に飲んでほしいのは「アペロール・ミスト」というカクテル。アペロール、100%レモンジュース、ビールを合わせたビアカクテルです。合わせるビールは、フルーティーな味わいのホワイトがおすすめです。
今回使ったのは、有機農法オレンジピールや有機農法レモングラスを原料に使ったホワイト「ジェード オーガニック ブランシェ」。アペロールと同じく、原料にオレンジを使ったビールなので相性は抜群です。フルーティーな香りと味わいが爽やかで、つい飲み過ぎてしまいます。
「アペロール・スプリッツ」「アペロール・ソーダ」は、どちらも氷を入れますが、ビアカクテルの場合は、味が薄まってしまうので氷を使わないのが基本。ですから「アペロール・ミスト」には氷を使わないほうが、爽やかな味わいを長く楽しめます。
基本的な作り方は以下のようになりますが、お好みでアペロールやビールの量を変えてもおいしくいただけます。
<作り方>
- よく冷やしたアペロール30ml、レモンジュース30mlをグラスに注ぎます。
- そこによく冷やしたビールをゆっくりと注ぎます。
- そして、軽くステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- ジェード オーガニック ブランシェ(フランス)
【ハイジ】
これまでにさまざまなビアカクテルを紹介してきましたが、今回紹介するのはビールとプレーンヨーグルトを1:1で混ぜ合わせたカクテル、その名も「ハイジ」です。
ビールとヨーグルトなんて、ちょっと不思議な組み合わせにも思えますが、意外や意外、とても滑らかな口当たりで、ほんのりとビールの味がする“大人の乳酸飲料”といった感じの飲みやすいカクテルです。
今回使用したビールは、サッパリとした口当たりのピルスナー「サンミゲール・ライト」。ヨーグルトのほのかな甘みと酸味、そしてビールの苦みがバランスよく味わえます。思いのほか甘くないので、お好みでヨーグルトにパウダーシュガーを加えたり、加糖ヨーグルトで作ったりしてもいいかもしれません。
また今回は、カシスを漬け込んだランビック「リンデマン カシス ミニ」でも作ってみました。カシスのフルーティーな香りとヨーグルトの酸味が非常によく合う、デザート感覚のカクテルに仕上がりました。
このほか、柑橘系の爽やかな風味の「ホワイト」や、果物を加えて作られた「フルーツ」など、このカクテルに合いそうなスタイルがたくさんあります。ぜひ一度試してみて、好みに合ったオリジナルのハイジを作ってみてください。
<作り方>
- あらかじめよく混ぜて滑らかにしたプレーンヨーグルトをグラスの1/2まで注ぎます。
- 次にグラス1/2のビールをゆっくりと注ぎます。
- 最後にゆっくりとステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- サンミゲール・ライト(香港)
- リンデマン カシス ミニ(ベルギー)
【ブラック・ベルベット】
スタウトとシャンパンを同量で割ったカクテルが、この「ブラック・ベルベット」。日本ではあまりなじみのないカクテルですが、イギリスでは19世紀末ごろから飲まれていたようです。その名の通り、注いだときにできる泡の口当たりは、キメが細かく滑らかなベルベットを連想させます。
基本的にはスタウトとシャンパンで作るカクテルですが、スタウトの代わりにほかの黒ビール、シャンパンの代わりにスパークリングワインを使ってもOKです。この2種類を同量注ぐわけですが、作り方はいろいろあるようです。
まずシャンパンをグラスに半分注ぎ、あとからスタウトを注ぐ方法。反対にスタウトから注ぎ、あとからシャンパンを注ぐ方法。そして、シャンパンとスタウトを同時にそそぐ方法です。同時に注ぐ方法は高い技術力が必要なので、ちょっと難しいかもしれません。
また、注いだあとにステアする場合と、しない場合もあるようです。ステアする場合は、泡が出過ぎてしまわないように、軽く1回程度がいいでしょう。
使用する黒ビールとスパークリングワインの種類によって、味わいがも違ってきますので、いろいろな銘柄で作ってみて、お気に入りを見つけるのも楽しいですね。
<作り方>
- スタウトとシャンパンを冷やしておきます。
- シャンパンをグラスの1/2まで静かに注ぎます。
- 泡が収まったら、スタウトをグラス/1/2までゆっくり注ぎ、軽くステアすれば完成。
<おすすめのビール>
- サミエルスミス スタウト(イギリス)
【モナコ】
「ビールは苦いからあまり飲まない」という人もいると思います。そんな人におすすめしたいのが「モナコ」というビアカクテル。ビールにレモネードとグレナデンシロップ(ザクロのシロップです)を混ぜ合わせた、甘くて飲みやすい暑い夏にピッタリのカクテルです。
フランスのバーやカフェには必ず置かれているという定番カクテルで、とくに女性に人気があるようです。透明感のあるきれいな赤い色が女性好みなのかもしれませんね。ちなみにこのカクテルは、モナコ公国の国旗の色に似ているからこの名が付いたとも言われています。
このカクテルには、写真にある「クローネンブルグ・ブラン」のようなホワイトやエールなど、柑橘系の風味があるビールがオススメですが「ちょっと個性的で飲みにくいな」と思うビールを使ってもOK。甘みが加わるので飲みやすくなります。
またレモネードではなく、レモンスカッシュや7upなどで作ったり、氷を入れて作ったりしてもOKです。材料の分量を変えて、お好みのモナコを作ってみるのも楽しいと思いますよ。
<作り方>
- あらかじめすべての材料を冷やしておきます。
- レモネードをグラスの1/3、グレナデンシロップ小さじ2を入れてよく混ぜます。
- そしてビールをグラス一杯に注いで軽くステアすれば完成です。
<おすすめのビール>
- クローネンブルグ・ブラン(フランス)