日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ 日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ

ビアスタイルを知ろう!<6>
【IPA】

ビールの品ぞろえをウリにしているお店で、よく見かけるのが「IPA」という名前のビール。これは「インディア・ペールエール(India Pale Ale)」の略で「アイ・ピー・エー」と読みます。“インドのペールエール”という意味になるのですが、インドで作られたビールではありません。

このビールが誕生した当時、インドはイギリスの植民地でした。イギリスからインドまでペールエールを船で運んだのですが、イギリスからアフリカ大陸をまわり、赤道を2回またいでインドへたどり着くまでの長い航海で、ペールエールは腐ってしまったのです。

そこで防腐効果の高いホップを大量に使い、ペールエールの腐敗を抑えました。ホップの強い香りと苦みのあるIPAは、こうして誕生したのだといわれています。

今ではこの個性豊かでインパクトのある味わいが人気となり、アメリカを中心としたクラフトビール業界では、一番人気のスタイルとなっているようです。

そんなIPAのなかにも、通常のIPAよりもさらに多くのホップを使用して作られた「インペリアルIPA(ダブルIPA)」、アメリカ産のカスケードホップを中心に作られた「アメリカンIPA」、深煎りモルトを使用して香ばしさと苦みを増した「ブラックIPA」、ベルジャンホワイトをベースとした「ホワイトIPA」など、さまざまなスタイルがあります。

IPAを味わう際は、キンキンに冷やしてノド越しを楽しむというよりは、10~12℃と少し高めの温度で、ホップの香りと深い味わいを楽しみます。

普段飲んでいるビールがちょっと物足りない、そう感じてきたらIPAを味わってみてください。これまでとは違ったビールの楽しみが発見できるかもしれませんよ。