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黒ビールはどうして黒い?
【黒ビールの話】

「黒ビール」とは、その名の通り黒色~濃褐色をしたビール。その独特な苦みや甘みに魅せられた人や、淡色ビールと黒ビールを1:1で混ぜ合わせる「ハーフ&ハーフ」が好きだという人も多いと思います。

ではこの黒ビールの黒い色は、一体どのように作られているのでしょう? 淡色ビールと醸造方法が違うのか、それともできあがったビールを着色しているのか……。実はコレ、使われている「麦芽」の違いによるものなのです。

フルーツビールなどを除き、ビールの色は麦芽で決まります。淡色ビールでは、80℃程度で焙燥(加熱によって乾燥させること)された、色の薄い「淡色麦芽」が使われます。対する黒ビールでは「淡色麦芽」に100℃以上の高温で焙煎された「濃色麦芽」が加えられます。

濃色麦芽には、その焙煎方法や温度によって「カラメル麦芽」「クリスタル麦芽」「チョコレート麦芽」「黒麦芽」など、さまざまな種類があります。これらを組み合わせることによって、濃褐色や黒色のビールが生まれるのです。

ちなみに「黒ビール」は、小麦を加えて作られる「ホワイト」と違って、ビアスタイルではありません。スタイルでいえば、下面発酵ビールなら「ドゥンケル」「シュバルツ」、上面発酵ビールであれば「ポーター」「スタウト」が黒ビールにあたります。

同じ黒ビールとはいっても、味わいはかなり違います。お気に入りの黒ビールを探して飲み比べをしてみるのも、楽しいかもしれませんね。

【代表的なドゥンケル】

【シュバルツ】

  • 弊社取扱いビールに該当品なし

【代表的なポーター】

【代表的なスタウト】

【ブラック・ベルベット】

スタウトとシャンパンを同量で割ったカクテルが、この「ブラック・ベルベット」。日本ではあまりなじみのないカクテルですが、イギリスでは19世紀末ごろから飲まれていたようです。その名の通り、注いだときにできる泡の口当たりは、キメが細かく滑らかなベルベットを連想させます。

基本的にはスタウトとシャンパンで作るカクテルですが、スタウトの代わりにほかの黒ビール、シャンパンの代わりにスパークリングワインを使ってもOKです。この2種類を同量注ぐわけですが、作り方はいろいろあるようです。

まずシャンパンをグラスに半分注ぎ、あとからスタウトを注ぐ方法。反対にスタウトから注ぎ、あとからシャンパンを注ぐ方法。そして、シャンパンとスタウトを同時にそそぐ方法です。同時に注ぐ方法は高い技術力が必要なので、ちょっと難しいかもしれません。

また、注いだあとにステアする場合と、しない場合もあるようです。ステアする場合は、泡が出過ぎてしまわないように、軽く1回程度がいいでしょう。

使用する黒ビールとスパークリングワインの種類によって、味わいがも違ってきますので、いろいろな銘柄で作ってみて、お気に入りを見つけるのも楽しいですね。

<作り方>

  1. スタウトとシャンパンを冷やしておきます。
  2. シャンパンをグラスの1/2まで静かに注ぎます。
  3. 泡が収まったら、スタウトをグラス/1/2までゆっくり注ぎ、軽くステアすれば完成。

<おすすめのビール>

【ハーフ&ハーフ】

「スタウト」や「ポーター」といった“黒ビール”と呼ばれる濃色ビールは、香りや味が強すぎて苦手という人もいると思います。そんな人におすすめしたいのが「ハーフ&ハーフ」という飲み方です。

これは馴染みのある色合いの淡色ビールと濃色ビールを1:1の割合で混ぜ合わせる飲み方。淡色ビールのさわやかな味わいが、濃色ビールの強い味わいを抑えてくれるので、濃色ビールを敬遠していた人も飲みやすいはずです。

このハーフ&ハーフのもうひとつの楽しみ方は“注ぎ方”です。実はこの飲み方、注ぐ順番で泡の色が違ってくるのです。淡色ビールを先に注ぐと泡が白くなり、濃色ビールを先に注ぐと泡は黒くなります。

泡が白くなるものを「ホワイトトップ」、黒くなるものを「ブラックトップ」と呼ぶのですが、違いは泡の色だけではありません。ホワイトトップだと淡色ビールのさわやかな香りがし、ブラックトップだと濃色ビールの甘い香りが強くなります。

使用するビールの種類でも味は違ってきますし、淡色ビールと濃色ビールの割合でも風味が変わってきます。さまざまな作り方を試してみて、お好みのハーフ&ハーフを作り上げてみるのも楽しいですね。

<おすすめのビール>