日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ 日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ

ビールの味わいは酵母で決まる!
【ビール酵母の話】

ビールをはじめ、お酒を作るうえで欠かせないのが「酵母」です。酵母とは5~10ミクロンほどの大きさの菌類で、卵のような形に小さな突起が出ている姿をしています。

酵母は糖類を食べ、酸素があるときは呼吸を行って炭酸ガスと水に分解、酸素がないときは発酵を行って炭酸ガスとアルコールに分解します。酵母の種類のひとつである「ビール酵母」は、このアルコール発酵で大量のアルコールを生産するとともに、優れた味と香りを作り出す特徴があります。

そのビール酵母のなかにも種類があって、大きく「上面発酵酵母」と「下面発酵酵母」に分けられます。上面発酵酵母は15~25℃の温度で発酵し、フルーティーな香りのもとであるエステルなどを多く作り出します。発酵の際に発酵液の表面に浮かび上がる性質を持つことから、このように呼ばれています。この上面発酵酵母で作られたビールを総称して「エールビール」と呼ぶことから「エール酵母」とも呼ばれています。

対する下面発酵酵母は、5~10℃前後の低温で発酵する酵母で、香味成分は多く発生しませんが、キレのある爽やかなノド越しを作り出します。発酵の際に酵母が沈むことからこの名が付けられています。下面発酵ビールは「ラガービール」と呼ばれることから、この酵母は「ラガー酵母」とも呼ばれています。

そんな酵母のなかにも、スッキリとキレのある味わいを生み出す酵母、豊かな香りが特徴の酵母、味に深みを与える酵母など、さまざまな種類があります。その中からどんな特徴の酵母を使うかによって、ビールの味わいも決まってくるのです。