日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ 日本ビールスタッフの「気まぐれコラム」ビールがあればいつでも幸せ

ビールは「発酵」によって
味わいが変わる?<2>
【下面発酵】

ビールは、酵母が麦汁内の糖類を分解して、炭酸ガスとアルコールを生成する「発酵」によって作られます。発酵には「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」があり、その発酵の種類によってビールの味わいも変わってきます。

前回は「上面発酵」を紹介しましたが、今回は「下面発酵」について解説していきましょう。

「下面発酵」とは、発酵後に麦汁内の酵母がタンクの底に沈殿していくことから名づけられた醸造方法。発酵温度が5~10℃と低温で、発酵期間は7~10日間、熟成に1カ月程度時間をかけて作られるのが特徴です。

下面発酵で作られるビールは「下面発酵ビール」や「ラガー」と呼ばれています。19世紀後半に下面発酵ビールが普及すると、たちまちビールの主流となり、今や世界の約9割がこの下面発酵ビールとなりました。「ピルスナー」をはじめ「アメリカン」「ババリア」「ミュンヘン」「メルツェン」「ボック」「スモーク」「スパイス」「フルーツ」といったスタイルのビールが下面発酵ビールです。

キレのある苦みとさわやかなノド越しで、ゴクゴクと飲めるのが特徴の下面発酵ビール。シンプルな味わいなので、さまざまな料理と一緒に楽しむことができます。

 

<代表的な下面発酵ビール>

【ホットビール】

キンキンに冷えたビールは夏の飲み物。だから寒い季節になると、少しビールから離れてしまう、そんな人もいると思います。でもビールの味わい方は、冷やして飲むばかりではありません。温めて飲む「ホットビール」という飲み方もあるのです。

本場のドイツやベルギーなどでは、コクがあってフルーティな上面発酵ビールに、スパイスやドライフルーツ、砂糖などを入れて、50~70℃くらいで飲むのが一般的です。

今回使用したビールは「ダブル エスプレッソ ビール」です。豊かなコクと香りが楽しめる味わいにスパイスと砂糖を加えることで、より濃厚で芳醇な味が楽しめます。好みもあると思いますが、70℃ぐらいのアツアツを味わいながら飲むのがおすすめです。

<作り方>

  1. ミルクパンなどの小さな鍋に、シナモンスティック1本、クローブ3~4粒、生ショウガのスライス2~3枚を入れ、ビールを泡立たせないようにゆっくりと注ぎます。
  2. 1を弱火にかけて沸騰直前まで加熱します。加熱の目安は、常温のビール300mlほどなら約5分。
  3. 火を止めたら耐熱グラスに2のビールをゆっくり注ぎ、角砂糖1個を入れて軽くステアしていただきます。

<おすすめのビール>

豊かな香りとコクが楽しめる、本物のエスプレッソが入ったポータービールです。